深呼吸すら忘れていた日々
過食嘔吐の症状がひどくなっていた頃、
私の頭の中は、いつも「食べ物」のことでいっぱいでした。
「今日は何を食べよう」
「どうやって吐こう」
「誰にも見つからないように、どこで食べよう」
そればかりをずっと考えていた。
フライトが終わってJALの寮に戻るころには、
疲れきってるのに、なぜか心がざわざわして、
コンビニに寄っては、大量に買い込むか、
節約のために食パン一斤を握りしめて部屋に戻る。
部屋では、吐く音が聞こえないように水を流したり、
誰かがトイレに来ないか常にビクビクしていた。
寮生活は、一人になれる時間が少なくて――
その緊張感が、さらに食べる衝動を強くしてしまっていました。
食べること=苦痛
食べることが「癒し」じゃなくて、
「吐くための儀式」でそれは涙が流れるほどツラいものでした。
一日の終わりには、まるでセレモニーのように
食パンを頬張って、水で流し込んでそして吐く。
そんな生活が、何年も続いていました。
友達にも、食事にも、心を開けなくて
「明日フライトだから」と断ってばかりで、
いつの間にか、誰とも食事を一緒にとることができなくなっていきました。
それは私が、「普通に食べる」ことが、できなかったからなんです。
そんな日々が続くと、自然と呼吸も浅くなるんです。
常に緊張していて、焦っていて、自分を責めていて――
深呼吸する余裕がないんです。
原因は自分の心
「生きていると疲れる」
「自分だけ取り残されている」
そんなふうに感じる日が、何度もありました。
でも、35歳でヨガと出会って、気づいたんです。
「深呼吸って心が落ち着いてくれる」と。。
心が苦しいとき、体はもっと苦しんでいて。
自分で自分を苦しめていることに気づいて、そこことに気づいたとき、
自分のちからで楽にしてあげたいって思ったんです。
過食嘔吐でしか痩せる方法はないと思っていた私は、
産後も当然のようにまたそのループに戻ってしまいました。
でも――
LAVAでヨガを始めて、16キロ痩せたとき、
驚いたんです。
「え? 過食嘔吐をしなくても、痩せられるんだ……」
それは、私の人生で初めて感じた“希望”でした。
ヨガは、ただ体を動かすものじゃなくて、
呼吸を感じること、自分を感じること、心をゆるめてあげること、でした。
スタジオのあたたかい空気の中で、
マットに座って、ゆっくりと目を閉じる。
その瞬間、
「戦う自分」じゃなくて「癒される自分」が、ようやく現れてくれる。
深く、ゆっくり、吸って。
そして、優しく、吐いて。
呼吸って、こんなに心を開放してくれるものだったんだって、衝撃でした。
体重だけじゃないんです。
私は「自分を責める人生」からも、少しずつ離れることができて、鏡の中の自分が
だんだん変わっていくのがわかりました。
無理なく、心と体が一致していく感覚なんです。
自分だけにできること
自分しかそれをやってあげられないんです。
レッスンでは、初心者でも安心して始められるクラスがあり
外に出てレッスンすると達成感が生まれます。
その成功体験も回復の一歩となりました。
ヨガの時間は、誰とも比べない、
「自分だけの静かな時間」です。
あの頃の私と同じように、
「苦しい」「でも変わりたい」と思っている人がいたら、
一度深い、深呼吸をしてみてください。
変わりたい。でも、どうしていいかわからない。
そんなあなたに、静かな“呼吸の扉”が開く場所になるかもしれません。
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