「食べては吐く」を繰り返す毎日から、本当に抜け出せるのだろうか——
そんな絶望を抱えているあなたへ。
元JAL国際線客室乗務員として30年間勤務し、約20年間も過食嘔吐に苦しんだ私が、どうやってこの地獄から抜け出せたのか、お話しします。
この記事でわかること
- 過食嘔吐になった本当の原因
- JAL国際線CA時代の壮絶な現実
- 過食嘔吐から抜け出せた具体的な方法
- 深呼吸が摂食障害に効果的な理由
- 今すぐ始められる回復へのステップ
現在54才の私は、摂食障害(過食嘔吐)から寛解し、投資で経済的自由を手に入れたことで投資系YouTuberとして情報発信をしています。
この記事が、今苦しんでいる人の参考になると嬉しいです。
過食嘔吐になった理由「完璧主義と承認欲求」
「良い子でいたい」というプレッシャー
小学生の頃、私は「賢い子」として両親に褒められ、勉強も学校でトップクラス。福岡の名門進学校・修猷館高校に合格し、傍から見れば「順風満帆」な人生を歩んでいました。
でも、それは表面だけの話でした。
中学時代の変化——すべての始まり
中学生になって、私の世界は一変しました。
ニキビだらけの顔
鏡を見るたびに自分が醜く思えてイライラしていました。
体型の変化
思春期特有のふっくらとした体型が許せませんでした。
友達関係のストレス
先生も友達も学校も親も自分も大嫌いでした。
生きることが辛くて、その辛さから逃げるために必死で勉強しました。
勉強はダイエットと同じで、頑張れば頑張るだけ成果が出る道具だったのです。
その「やればやるほど結果が出る」という感覚が、後の過酷なダイエットと過食嘔吐につながったのです。
勉強という打ち込むことで、成績は上がりましたが、友達は少なく、楽しい学校生活とは程遠い中学時代でした。
高校合格後の虚無感
念願の修猷館高校に合格しましたが、達成感はすぐに消えました。
「次に頑張ることが見つからない…」
勉強という打ち込むものを失った私は、虚しい時間と虚しい心を埋めるように、暇があると何かを食べるようになりました。
体重はどんどん増えていきました。
大学受験失敗——自己否定の連続
大学受験は10校以上受けて全滅しました。
二次募集で聞いたこともない短大に進学し、18才で東京へ上京しました。田舎娘のコンプレックスは、東京でさらに大きく膨れ上がり、自己否定の連続でした。
自分を受け入れられない。
痩せていなければ価値がない。
完璧でなければ恥ずかしい。
そんな思い込みが、私を蝕んでいきました。
運命の一言——20年間の地獄の始まり
「吐けば楽になるから」
それは、大学の飲み会での出来事でした。
ビールの一気飲みで苦しんでいる私に、先輩が何気なく言った一言。
「吐けば楽になるから」
その瞬間、私の人生は大きく狂い始めました。
トイレに駆け込み、喉に指を突っ込んで吐いたとき、確かに「楽」になりました。
でも、その「楽」が、20年間続く地獄の入り口だったのです。
恐ろしい勘違い
「食べても吐けばいいんだ」
そんな単純で恐ろしい勘違いから、摂食障害(過食嘔吐)が始まりました。
最初は「今日だけ」「これで最後」と思っていました。でも、一度始めると止められなくなったのです。
過食嘔吐とは?症状と死亡率
過食嘔吐の定義
過食嘔吐は、医学的には「神経性過食症(bulimia nervosa)」と呼ばれる摂食障害の一種です。
主な症状
– 短時間に大量の食べ物を食べる(普段の2〜3倍以上)私はもっと食べることができていました。
– 体重増加を防ぐために意図的に嘔吐する 体重が100gでも増えると今日はダメな日と点数をつけていました。
– 週に1回以上、3ヶ月以上繰り返す 20年間続きました。
– 自己評価が体型や体重に強く影響される 私は毎朝計る体重でその日のコンディションまで変わりました。
– コントロールできない感覚に苦しむ 自分自信ではコントロールできない衝動にかられます
知っておくべき深刻な事実
過食嘔吐の死亡率は、摂食障害の中で最も高い18%です。
全体の死亡率が7%、拒食症が10%程度であることを考えると、過食嘔吐がいかに命に関わる病気かがわかります。
死因
– 栄養失調による多臓器不全
– 電解質異常による心停止
– 低カリウム血症
– 自殺
過食嘔吐は「悪い癖」ではなく、命に関わる「病気」なんです。
JAL国際線CA時代の現実
憧れの職業に就いても止まらなかった過食嘔吐
就職活動を経て、憧れのJAL国際線客室乗務員になりました。
でも、華やかに見える職業の裏で、私は過食嘔吐を繰り返していました。
過食嘔吐CA時代の日常
フライト中
– 休憩時間にギャレーで隠れて食べる
– 機内トイレで吐く
– 乗客には笑顔で対応
– 心はボロボロ
フライト後
– 帰宅後、コンビニで大量の食料を買い込む
– 部屋で一気に食べ尽くす
– トイレで吐く
– 疲れ果てて16時間くらい寝る
この異常な生活が恥ずかしくて、誰にも相談できませんでした。
身体に現れた異変
顔のエラが張る
唾液腺が腫れて顔が変形していきます。つまり顔の下半分だけが異様に大きくなるので体は細いのに「太った?」と言われることもありました。髪型で誤魔化したり、シャドウを入れたりしますが、気休めです。
むくみ
常に顔がパンパンで、体は細いのに、お腹はポッコリ出ているような、栄養失調の子供のような体型でした。
貧血
何度も休職を繰り返す。健康診断での医師との面談で摂食障害を話すわけにはいかないので、健康なふりをして、血液検査で、貧血で乗務停止になることもあれば、体がだるくて働けないので、休むことが増えていきました。
歯のトラブル
胃酸で歯が溶けるので、歯がとても小さくなります。そしてエナメル質がなくなっているので黄色の歯になり、恥ずかしくて口元を隠しながら話すことが増えました。
生理不順
ホルモンバランスの崩れで生理不順になる人は多いのですが、私は毎月順調に生理が来ていました。過食嘔吐は、ある程度の栄養分を体が吸収しているので、拒食症の人ほど、細くならないので、見つかりにくいのです。
手の吐きだこ
喉に指を突っ込むため手の甲に傷ができる人が多いと言われますが、私は大量の水を飲み込んで吐き出しいたので、吐きだこはできませんでした。そのうち、便器に向かって下を向くだけで、吐けるようになり、後々、流動性食道腺で悩まされる原因になりました。
上記のようなことをメイクや、さまざまな言い訳で誤魔化し、笑顔で接客していましたが、心と身体は限界でした。
泣きながら食べて、吐いて、寝る
食べることに抵抗を感じているのに、食べ始めたら止められないのが過食嘔吐の特徴です。
吐くまで食べる。
吐いた後は自己嫌悪と自己否定で、自分なんて生きる意味がないとさえ思ってしまいます。
「もう二度とやらない」と誓う。
でも、次の日には同じことを繰り返す。
この異常な生活が惨めで恥ずかしくて、バレないように生きることに必死でした。
それでも30年間、空を飛び続けました
最終的に、私は30年間も国際線のCAを続けました。それはCAという肩書がなくなると自分がダメ人間になってしまうという恐怖で、しがみついていたような状態でした。
結婚、出産という人生の大きな節目も迎えましたが過食嘔吐は治ることはありませんでした。
摂食障害は、2人目の子どもの出産後、育児休職中に症状が寛解していきました。
ただ、乗務生活のほとんどを過食嘔吐とともに生きていたので、心も体もボロボロでした。
過食嘔吐から抜け出せた5つの理由
1. 「摂食障害」という病名を知った
35才の時、初めて「摂食障害」は病気なんだという事実を知りました。
今のようにたくさんの情報が手に入る時代ではなかったので、過食嘔吐は「私の悪い癖」「恥ずかしいこと」だと思っていました。
でも、立派な病気であることを知り、思い切って心療内科に行ってみたのです。
2. 心療内科での治療——安定剤
医師に処方された安定剤のおかげで、過食嘔吐の頻度が減りました。
でも、副作用で2週間くらい眠り続け育児中にも関わらず眠くて眠くて、どこかへ子供を遊びに連れて行っても寝てしまうことが多く子供が迷子になってることもありました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいで、それでまた自己嫌悪になるのです。
それだけ、心も体も疲れ切っていたんだと今はわかりますが、家では夫にも子供にも謝ることが多い時期でした。
薬だけでは完全には治りませんでしたが、「過食嘔吐しない日があるんだ」と希望が持てました。
3. むくみとエラ
過食嘔吐が減っても、エラは張ったまま。体はむくんだままです。
「この先、どう生きていけばいいのか」という新たな不安に襲われました。
体型へのコンプレックスは消えず、むしろ悪化していました。
4. ヨガとの出会い
そんな時、出会ったのがヨガでした。ヨガというより深呼吸が大事だと気づいたんです。私は長い間、太る恐怖と隣合わせで、深呼吸をしていなかったんです。
「もう若くないし、体力もないし…」と思いましたが、思い切って無料体験に申し込んでみました。
これが、私の人生を大きく変える転機となったのです。
5. ヨガで60kgから52kgへ——吐かずに痩せた事実
ヨガを続けることで、過食嘔吐なしで60kgから52kgの適正体重に戻ったことは大きな成功体験となりました。
この「吐かなくても痩せる」という経験は、私にとってとても貴重でした。
自分で経験したことで得た事実が、私の頑なな頭に気づきを与えてくれました。
「食べても吐けばいい」という呪縛から、初めて解放されたのです。
ヨガが過食嘔吐に効果的な5つの理由
なぜ、ヨガが摂食障害の回復に効果的なのか?それには科学的な根拠があると言われています。
1. 深い呼吸で自律神経が整う
ヨガは深い呼吸を繰り返します。
深い呼吸は副交感神経を優位にし、ストレスを軽減します。
過食嘔吐は、ストレスが引き金になることが多いです。深い呼吸で心が落ち着くと、過食衝動が減ることがあるのです。
2. 身体の感覚
過食嘔吐を繰り返すと、「お腹が空いた」「満腹だ」という感覚が麻痺します。私が通ったホットヨガでは温かい部屋で呼吸を繰り返すので、汗をかき、冷え性が改善されていきました。
3. 自己否定から自分らしさ
ヨガは「ありのままを受け入れる」ことと言われ「できなくてもいい」「完璧じゃなくていい」そんなヨガの考え方や、ポーズをとれなくても無理しなくていい自分らしくていい感覚をえることができました。
4. セロトニンが増える
運動はセロトニン(幸せホルモン)を増やします。
セロトニンが増えると、気分が安定し、過食衝動が減ります。
5. 「自分の身体を大切にする」感覚
ヨガを続けるうちに、「自分の身体を大切にしたい」という気持ちが芽生えました。
「痩せるため」ではなく「健康でいるため」に身体を動かす。
この感覚の変化が、回復への大きな一歩でした。
自分を許すことは、自分を甘やかすことではなく、自分を大切にすることで、もう十分自分を痛めて来たんだと思います。
摂食障害の回復事例
私の回復から学んだことは
✓ 吐かなくても痩せられる
諦めることで普通に生きられる
✓ 人生何歳からでもやり直せる
私は35才から回復し始めた
✓ きっかけが大事
私のきっかけは、ヨガでした。
こんな方におすすめの記事です
- 摂食障害で悩んでいる方
- 過食嘔吐をやめたい方
- 見た目にこだわりがある方
- 人生をやり直したい方
- ヨガに興味がある方
- 自分を許せない方
まとめ
もう二度と、トイレの便器に顔を突っ込んで無理やり吐き出すことをしなくていいという安心感は生きる希望となります。
これは、お金を出しても買えないものです。
人生は何歳からでもやり直せます。
私は50才でJALを退職し、54才の今、投資で経済的自由を手に入れ、新しい人生を歩んでいます。
貴重な青春を摂食障害という過酷な生活で無駄にしないために、いろんなことを試してみてください。その勇気を、私は応援します。必ず、過食嘔吐から抜け出せる日が来ます。
【この記事を書いた人】
福永かおる(バフェットかおる)、54才。元JAL国際線客室乗務員(30年勤務)。19歳から35歳まで約20年間、過食嘔吐の摂食障害を経験。ヨガと心療内科での治療で克服。現在は投資で経済的自由を実現し「何歳からでも人生はやり直せる」をテーマに情報発信中。
※この記事は個人の体験に基づくものであり、医学的アドバイスではありません。摂食障害は専門的な治療が必要な疾患です。症状が重い場合は、必ず医療機関を受診してください。


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